2025年3月3日月曜日

司法修習生考試

 皆様、お久しぶりです。


ここ2週間いろいろとバタバタしており、堂々とブログの更新をサボっていたことを軽くお詫び申し上げます。

そもそも追っかけてくれている読者様がいるのか不明なので、自分は一体誰に謝ってるんだろう…人生って何だろう…という哲学的な問いに直面しますが、我思う故に我ありの精神で頑張ります。


バタバタの理由の一つに、ここ2週間ほど司法修習生が弊事務所で研修していたという事情があります。

前々回の記事でも司法修習生というワードが登場したと思いますが、この時期の修習は変則的なスケジュールで、一週間ごとに弁護士事務所に来たり裁判所に行ったりと神出鬼没になります。

バタバタというと修習生の面倒をみるのに手を焼いていたかのように聞こえますが、実際は非常に優秀で博識な修習生が来てくれたため、不勉強な法律の分野について丁寧に教えてもらったりなど、むしろこちらの方が多くのことを学ばせてもらった気がします。


そんな彼も含め、全ての修習生が、遂に今日から5日間のクライマックスに突入します。


本日から第77期司法修習の司法修習生考試が始まります。

通称「二回試験」というペーパーテスト、ご存知でない方もいらっしゃると思うので簡潔に説明していきます。


まず、みんな大好き「司法試験」とは全く別物という点が重要です。

司法試験は法科大学院修了or司法試験予備試験合格のどちらかを達成することで受験資格が得られる試験で、近年合格率が上がっているとはいえ、未だに屈指の難関試験として多くの人々から畏怖されている法曹登用のための試験です。


ですが、司法試験に合格した瞬間から直ちに弁護士などを名乗れるようになるかといえば、全然そんなことはありません。


世間的にもこの辺りのシステムは漠然と認識されている印象なので一言で簡単に説明すると、司法試験合格後、合格者らは1年間の司法修習を受けることになるのです。

月額135,000円という生存権(憲法25条)侵害スレスレの給付金のみを毎月支給されながら、バイトも原則禁止という自称進学校みたいなルールのもと、法曹にとって必要な実務能力を1年間かけて必死こいて習得することになります。

※司法修習自体についても面白い話がたくさんあるのですが、今回は割愛します。


二回試験というのは、上述の司法修習を総まとめする期末試験のようなものです。

要するに、司法試験に合格すればその瞬間から人生バラ色確定というわけではなく、1年後に再び大きな試験を突破するまでは俺たちの戦いは終わらないのです。

――まさに常在戦場。


ちなみにこの試験、毎年10名前後しか落ちません。

…もしかして名前書けば受かるんじゃないでしょうか?


まあ実際のところ、決してヌルい試験ではないです。

なんといっても「民事裁判」「刑事裁判」「検察」「民事弁護」「刑事弁護」の5科目を、それぞれ7時間半の試験時間で合計5日かけて起案しなければならず、やっていることだけみれば司法試験以上に体力を消耗するベリーハードモードですから。

他方で、設問の難易度としては、1年間の修習に人並み程度に真面目に取り組んだ人間であれば難なく解けるレベルに調節されており、不合格へのプレッシャーという点では司法試験の足元にすら及ばないのもまた事実です。


そういう性質の試験なので、結果的には決してヌルくはないものの、ぶっちゃけしんどいだけで基本誰でも受かるという不思議な試験となっております。あんまこういうこと言うと怒られそうですけど。

早い話が、交通機関の乱れや病気などの外的要因から、「受験すること」そのものにアクシデントが生じてしまった不運な修習生が不合格者の大部分を占めているのだと思います。

司法研修所サイドも、純粋な実力で不合格とすることは極力回避したがっているような印象があります。


ちなみに本番は埼玉県和光市にある司法研修所で受験することになるのですが、修習生たちも万が一の電車の遅延などにビビり倒しているので、試験期間中は和光市駅周辺のホテルに宿泊したりなどの安全策を講じています。

1年のうちで和光市がもっとも潤う期間かもしれません。翔んで埼玉。


さて、説明しだすとキリがないテーマなので、そろそろ撤収しようと思います。


修習生の皆様、今日から5日間、ハードですが頑張りましょう。

バラ色の未来はもう目の前です。


ではまたノシ


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ねむい